長期収載品の選定療養制度とは、患者さんが後発医薬品(ジェネリック医薬品)のある先発医薬品(長期収載品)を選択した際、その差額の4分の1を自己負担していただく制度です。患者さんが長期収載品を希望される場合、選定療養費として「特別の料金」の負担が発生します。
この制度の目的は、国民皆保険を将来にわたって守るため、保険料や税金で賄われている医療保険の負担の上昇を抑えることです。医療上の必要性がある場合を除き、患者さんがジェネリック医薬品より価格が高い長期収載品を希望される場合には、「特別の料金」をご負担いただくことになります。
制度が目指すのは、患者さんに「特別の料金」をお支払いいただくことではなく、より多くの方にこの機会に後発医薬品への切り替えを検討していただくことです。後発医薬品を活用することで、薬の処方を受ける際の経済的負担も軽減できます。
選定療養の対象となる長期収載品は、次の条件を満たす品目です。
・ 後発品の収載から5年経過している
・ 後発品への置き換え率が50%以上である
ただし、流通上の問題がある場合や、バイオ医薬品等は除外されます。制度開始時点で、対象品目は1,096品目です。また、医師が治療上の必要性があると判断した場合などは、対象外となり「特別の料金」は発生しません。
「特別の料金」は、長期収載品とジェネリック医薬品の薬価の差額の1/4です。薬価は品目ごとに異なるため、品目によって、負担額も異なります。また、差額が小さい場合でも、内服薬では1日あたり最低でも10円の追加負担が発生します。なお、「特別の料金」には別途消費税がかかります。
乳幼児医療、特定疾患、生活困窮者支援など、国や地方自治体が「公費」で医療費を助成する制度を受けている場合でも、選定療養費として「特別の料金」の負担が発生します。
この制度はすべての患者さんに関わるものであり、対象となる薬にも様々な例外があります。「特別の料金」の額についても、それぞれの処方箋ごとに計算方法が異なりますので、詳細はかかりつけ薬局の薬剤師にご相談ください。
©2015 Medimu