目薬について、患者さんからいただく、「よくある質問」を取りまとめました。
1.1回に点眼する量は何滴ですか?
目にためられる目薬の量(結膜嚢の容量)は、0.03mL程度です。目薬のボトルは、1滴の量が0.04mL~0.06mLになるように設計されていますので、1滴点眼すれば十分です。余分にたくさん点眼しても、目にはためられませんので、溢れるだけです。きちんと1滴が目に入ればそれで充分です。
目から溢れた点眼液は、目の周りのあれやただれにつながることがありますので、ティッシュ等でふき取るようにしてください。
2.1ボトル(瓶・本)でどれくらい使用できますか?
多くの目薬は1ボトル 5ml入りです。1滴は、0.05mL程度ですので、1ボトルに約100滴分の目薬が入っています。
ちなみに、両目1日1回点眼の場合:100(滴)÷2(両目)÷1(回)=50ですから、50日間分が入っています。仮に少々点眼を失敗しても、約1か月分の点眼液が入っています。
同じように計算すると、両目に使う場合、1日2回なら2ボトル、1日3回なら3ボトルあれば、1か月間は十分使える量が入っています。
なお、1ボトルに2.5mL入りの目薬もありますので、その場合は、上記の半分とお考え下さい。
3.2種類以上の目薬を続けて使うことはできますか?
1の項で説明していますが、目にためられる目薬の量は、0.03mL程度で1滴の半分ぐらいです。続けて2種類以上の目薬を点眼すると、最初に点眼した目薬は、後から点眼した目薬によって押し流されてしまったり、濃度が薄められたりして、十分な効果が得られないことになります。
目薬が目に浸み込むのには、数分かかるといわれています。ですから、後から点眼する目薬は5分以上間隔をあけて点眼するのがいいでしょう。5分以上であれば10分でも1時間でも間隔をあけていただいて結構です。(点眼剤の種類や症状によっては間隔を十分にとらないといけない場合も想定されますので、医師や薬剤師に確認してください。)
4.目薬を差す順番は?
前項でお話ししたように、目薬と目薬の間隔を十分にとれば、それぞれちゃんと吸収されますので、順番はあまり気にしなくてもいいです。ただ、眼軟膏や、粘度の高い(どろっとした)目薬等は、あとからさした目薬の吸収に影響することがありますので、一番後で使うほうがいいでしょう。(目薬の種類や症状によっては、順番を守ったほうがいい場合が想定されますので、医師や薬剤師の指示に従ってください。)
5.寝る前に点眼してはいけないのですか?
以前は寝る前に点眼するとよくないといわれていましたが、現在では目薬の添加剤の安全性が上がり、寝る前に点眼しても問題なくなりました。医師や薬剤師から、特別な注意がない目薬の場合は、安心してお使いいただけます。
6.薬局でもらった目薬と市販の目薬を一緒に使ってもいいですか?
眼科等で受診した場合、現在の症状にあった目薬が処方されていますので、一般的には市販の目薬を併用する必要はないと考えられます。また、併用によって、一部の有効成分がダブってしまうこともあり、過量となってしまう恐れがあります。
副作用を防ぐためにも、併用したい場合は、医師や薬剤師に確認が必要です。
7.1日3回点眼となっていますが、どのタイミングで点眼したらいいですか?
目薬に限らず、お薬は等間隔で使用するのがベストです。1日3回であれば、朝・昼・夕に点眼していただくとほぼ等間隔の使用になります。食事のタイミングで点眼してもらうのが、忘れにくいのでお薦めです。目薬は、食事に影響されませんので、食前でも、食後でも、食事をとらなくても、そのタイミングで点眼していただければ結構です。
ちなみに1日2回なら、朝・夕、4回なら、朝・昼・夕・寝る前のタイミングで点眼すると忘れにくいでしょう。
なお、1日1回の場合は、朝なら朝、夜なら夜という風に、毎日同じタイミングで点眼してください。
一部の緑内障の目薬のように、点眼後に洗顔した方がいいような場合は、入浴前や、朝の洗顔前に点眼するという指示があるものもあります。詳しくは医師、薬剤師の指示に従ってください。
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